長崎、佐世保を舞台に展開する淡い恋と青春、映画『坂道のアポロン』のジャズセッションシーンが素晴らしい!

テーマはジャズ♪

音楽を通して描かれる少年の友情。1960年代の佐世保を舞台に展開する淡い恋と青春。

知念侑李、中川大志、小松菜奈主演。

実写版『坂道のアポロン』が素晴らしく良かった!

 

やっぱりいつの時代でも音楽の持つ力は偉大ですね。最大の見せ場となるピアノとドラムのセッションシーンは彼らの心を代弁しているように訴えかけてきます。

もちろん、青春のワンシーンなんて振り返れば嫌な思い出しかないし、あまりにも小さな世界。それでも当時はそれが全てでした。

あの時の気持ちはもう正確に思い出せないけれど、繊細で傷つき易い時代だったからこそ笑って振り返ることが出来るのかもしれません。

原作のコミック版とアニメ版が存在し、コミックは『このマンガがすごい!2009』オンナ編で1位を獲得。どちらも未見ですが、新鮮な気持ちで観ることが出来たのは良かったです。アニメ版との比較は実写版を観た今だからこそ気になる作品。

物語の核となるのは、Art Blakeyの「Moanin’(モーニン)」とサウンドオブミュージックの「My Favorite Things(私のお気に入り)」。どちらもジャズのスタンダードでありながらあまりにも有名な2曲。

ジャズのセッションとしての見せ場も、レコード店の地下室、クラブ、学園祭と複数存在し、スクリーンに引き込まれる存在感はかなりのもの。

特に学園祭の体育館シーンは鳥肌が立ちました。このワンシーンを観るだけでも映画館に行ってお金を払う価値があるといえるでしょう。

静かな暗闇の中から始まるピアノソロ、そこから自然と始まるドラムセッション。「My Favorite Things (私のお気に入り)→ Someday My Prince Will Come(いつか王子様が) → Moanin’(モーニン)」と続く楽曲の流れがなんとも心地よい。

残念なのはこの後に続く盛り上がりがいまいちなままエンディングを迎えてしまうこと。セッションシーンとしての最後の見せ場がもう一つぐらい欲しかったです。

主題歌も小田和正ではなくジャズで締めてほしかったなぁ。

音楽に言葉はいらない。二人の友情と青春の思い出が余韻として残る素敵な映画でした。

映画を観た後はサントラが欲しくなります。ストーリーを知った上でアニメ版もぜひ観てみたい作品。

映画『坂道のアポロン』のmueponさんの感想・レビュー | Filmarks

mueponによる、「坂道のアポロン(2017年製作の映画)」ついての感想・レビューです。