ここ最近の映画レビューの中でもかなり話題性が高い『カメラを止めるな!』を観てきました。正直キャストもスタッフも無名に近いため、ここまで様々なメディアやSNSで取り上げられなければ劇場に足を運ぶ機会もなかったでしょう・・・。
しかし、これがまた恐ろしいほど素晴らしい。日本映画史におけるエポックメーキング的な作品と言えるでしょう。確かに低予算映画ではありますが、それを逆手に取った映像表現、情熱とアイディアでとてつもなくエンターテイメント性の高い作品に仕上がっています。
そしてこの作品のネタバレは厳禁。冒頭のあらすじや予告編は公開されていますが、出来る限り予備知識や情報を仕入れない状態で観た方が楽しめることは間違いありません。
おそらく、最初のストーリーを聞いた時点である種の”違和感”というか”疑問”を感じるはずなのです。
とある映画の撮影隊がゾンビ映画を撮影していたら本物のゾンビに襲われてしまった!
「えっ、それってどういうこと?」・・・と。
ワンカットで撮影されていく物語を見るにつれ、前半はこれからどうなるんだろうという不安感と期待感。
そして後半こそがこの作品の真骨頂。「そうか、そういうことだったのか」という伏線回収がお見事。
ゾンビ映画のホラー的な展開で一つの作品が収束した後は、今までの違和感が解消されるコメディー&感動ドラマへ。正直映画館で声を出して笑ってしまったのは初めてでした。
本作のキャッチコピーは『この映画は二度はじまる』。
もうそれすらも計算されているんじゃないかと思わせてくるところが凄い。
一つの作品を作り上げることは大変だし、リーダー(監督)は曲者ぞろいのメンバー(役者)を取りまとめるマネージメント的な能力も必要だったりする。
登場する人間は何かしら欠点があったりだめなところもあるけれど、最終的には楽しくて面白いものを協力して作ろうとする”意思”と”エンターテイメント性”は素晴らしいの一言。
ここ最近映画を観た人もそうでない人も、映画の魅力を再確認できる一本。今迷っているなら観に行かないのはもったいない!