ディズニー、ピクサーアニメーション映画の最高傑作『リメンバー・ミー(Coco)』

ディズニーのピクサー アニメーション映画の最新作『リメンバー・ミー』(原題Coco)は、ここ最近のディズニー映画の中でも最高傑作ではないかと思わせるほど出来が良い。

2018年アカデミー賞、長編アニメ映画賞、歌曲賞受賞作品。

メキシコを舞台とした文化、死生観、音楽、家族愛がテーマになっていますが、「死者の国」を舞台とした死後の世界を描きつつ、生と死を扱っている時点で子どもだけでなく大人でも楽しめる作品になっています。

人は2回死ぬ。

1回目は自ら死を迎えた時。

2回目は残された人々の記憶から忘れ去られた時。

そのテーマ性から重くなりがちな要素を内包しつつ、世界観はカラフルでポップ。ラテンで陽気な人々や極彩色な「死者の国」の描き方は実際のキャラクターと共に歩いてみたいと思わせるほど。

作中における「死者の日」は、ラテンアメリカにおける祝祭日の一つであり、一年に一度だけ死者に会える(魂が戻ってくる)という考え方は家族が集まって死者に思いを馳せる日本の「お盆」文化とも共通するところがあります。雰囲気はやや日本と異なりますが違和感なく受け容れられるところも大きいでしょう。

そして音楽が素晴らしい。ここ最近の映画音楽は単体としてもクオリティーがとても高いですが、物語のキーとなっている劇中歌『リメンバー・ミー』は、最後のエンドロールも含めて大きな余韻を残します。

今回は”IMAX吹き替え版”で観てその完成度の高さに驚きましたが、改めて原題の曲も聴いてみたいと感じました。

ストーリー構成(脚本)もどんでん返しも伏線回収もよく出来ていて、王道ではありますが、主人公ミゲルは周りから提示された(与えられた)環境に収まるのではなく、自ら幸せな環境を切り開くために行動する。自分の今の立場だったらどうするだろうかと、色々と重ね合わせて観られたことも大きかったです。

同時上映は『アナと雪の女王/家族の思い出』で、ミュージカル風の音楽に乗せてクリスマスを描く短編アニメーション。単体で観ればこちらも音楽も含めて良作だったのですが、その後の『リメンバー・ミー』が予想を上回るクオリティだったため少々霞んで見えてしまいました。

たまには家族や親族に会いに行かねばと思いつつ、音楽、ストーリー、世界観、どれをとっても安心して観られる作品です。

 

映画『リメンバー・ミー』のmueponさんの感想・レビュー | Filmarks

mueponによる、「リメンバー・ミー(2017年製作の映画)」ついての感想・レビューです。